根の治療について(根管治療)

なるべく根の先まで、お薬を詰めるようにしております。理由としては、①根の先に膿がたまりにくく、長持ちするため②もし、再治療の必要があっても、根管の先まで一度掃除しているので、再治療もしやすい。

過去にたくさんの根管治療の第一人者と言われる先生方の講習を20代の時に、東京、京都、大阪で受講しました。その後も試行錯誤し、現在もおこなっております。根管充填は、根管の走行、長さ、太さ、湾曲などから、側方加圧と垂直加圧で分けております。

 

また、私自身、第一世代から今流行りのニッケルチタンを使用してち20年以上になりますが、やはり、まだ、治療中に根管内で折れるということは改善はされてます、まだ、試験的な材料と感じており、現在は、補助的にしか使用しておりません。また、難しい根管治療においては、今は、CT画像は必須となっております。根管の形態、根管数などは、従来のアナログのレントゲンでは、困難です。感覚的なところに依存しており、CTの出現により、今ではCT画像の無い特に大臼歯の根管治療は怖いです。

【根の治療が必要な場合】

①虫歯が大きく、神経まで痛んだ場合

②根の先が膿んだ(化膿)している場合【根の再治療】

③歯を強く打って(外傷)神経が痛んだ場合

①神経にまで進んだ虫歯

②虫歯が進み根の先がいる膿んでいる

【治療回数】

神経が入っている管は非常に細く、掃除・消毒をするには回数がかかることが多いです。

その理由として3つあります。

①通常、神経が入っている管の本数は、前歯だと1~2本、奥歯などでは3~4本ある

②根の先が急に曲がっていたり、細くなっていたりすることがよくある

③根の再治療をする際、根の先がかなり膿んでいる

 

これらの理由により根の治療には時間・回数がかかることが多いです。

【根の治療方法】

神経の入っていた管の中をファイルという掃除器具で綺麗にしていきます。

【治療の手順】

ステップ1 神経の入っている管を掃除します

●根の先が膿んでいる場合(根の再治療)も同じです

●神経を取るときは、麻酔をします

 

ステップ2 神経の入っている管を何度か消毒します

●根の中の管は細く一度では消毒をするのが難しいので、何度か消毒が必要です

●前歯では約2~3回、奥歯では4回ぐらい消毒します

 

 

ステップ3 神経の入っていた管に防腐剤を入れます

●管を何度か消毒し、綺麗になったら、薬(防腐剤)を入れます

●根の先が膿んでいる場合は、根の先の膿が出なくなり綺麗になってから薬(防腐剤)を入れます

●神経のかけらが残っている場合や薬(防腐剤)を入れる時に痛みがないように、麻酔をする場合があります

 

ステップ4 歯を補強するために土台の型取りをします

●むし歯により失われた部分の歯を補強します

ただし、歯がかなり残っている場合は詰め物ですむ場合があります

 

ステップ5 土台をつけ、被せの型取りをします 

●歯を補強するために土台をつけて、さらにその上から被せの型取りをします

 

 ステップ6 被せをつけて治療が終わりになります

一番左側のレントゲンが従来のレントゲンです。真ん中はCT画像です。これは遠心根管でありますが、通常は、1つのことが多いですが、この歯の場合は、2根管あります。しかし、入り口では2根管ですが、最後はつながり1根管になってます。それは一番右のCT画像ででも明らかにわかります。このような根管形態を通常のレントゲンではまず把握できません。今では、大臼歯の根管治療には、CTがないと非常に難しい症例が多いです。

根管の形態を把握するには3次元のCT画像が、非常に有効であります。従来のレントゲンのみでは正確な根管形態を把握するのは困難です。根の管の数を知るには、CTが必須と思われます。従来の平面だけのレントゲンで、根管の数や走行状態を把握するのは不可能に近いと思います。