歯周病について

【歯周病とは】

歯の喪失の原因

歯周病とは、歯と歯茎(歯肉)のすきま(歯周ポケット)に繁殖する細菌に感染し、歯の周りに炎症が起こる病気です。 以前は、歯槽膿漏と呼ばれていました。

現在歯周病は、主に歯茎だけに腫れがみられるものを歯肉炎と呼び、歯肉炎が進行し歯だけでなく歯を支えている骨などがなくなっているものを歯周炎と呼んでいます。

 

歯肉炎は、10代で既に60%近くの人がかかっています。

歯周炎は、30・40代と年齢が上がるにつれ増加します。

歯周病は生活習慣病です。

知らないうちに進行し、症状がかなり進行するまでなかなか自覚しにくい病気です。ほおっておくと、歯茎から膿が出たり、激しい痛みが出たり、歯がグラグラになったりして、最後には歯が抜けてしまいます。

 

 

【歯周病の原因】

お口の中にはおよそ400~700種類の細菌が住んでいます

これらの細菌は、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。

これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。この歯垢1mgの中には約10億個の細菌が住みついていると言われ、虫歯や歯周病を引き起こします。

歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石に変化します。歯石は歯の表面に強固に付着し、ブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けていきます。やがて歯を支えている骨を溶かし、結果的に歯を失う原因となります。

【歯周病によくみられる症状】

 

  • 【全体】
  • 口臭を指摘された・自分で気になる
  • 朝起きたら口の中がネバネバする
  • 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある

【歯肉の症状】

  • 歯肉が赤く腫れてきた
  • 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
  • 歯肉を押すと血や膿が出る

【歯の症状】

  • 歯と歯の間に物が詰まりやすい
  • 歯が浮いたような気がする
  • 歯並びが変わった気がする
  • 歯が揺れている気がする

 

【歯周病の進行度】

歯周病の進行度合いを知るには、歯周ポケット検査をします(歯と歯茎の間にある隙間を測ります)

深いほど歯周病が進行しています。 

【歯周病の治療とステップ】

ステップ1 歯周病の検査と説明

●まずは、歯周ポケット検査(歯と歯茎の隙間を測る検査)をし、全体的な歯茎の状態を確認します

●必要により、歯を支えている骨(歯槽骨)の状態をレントゲン写真により検査します

 

ステップ2 歯石の除去

●歯の表面に歯ブラシでは取れなくなった歯石を専用の器具で除去していきます

(痛みはほとんどありません)

 

ステップ3 歯茎の再検査及び歯のクリーニング

●歯石を取り終えて歯茎の状態が良くなったか、歯周ポケット検査をし確認します

★歯茎の状態が良くなっている場合は、歯の表面に再度歯石が付きにくいように、専用の器具でクリーニングします 歯周病が軽度の場合は治療はここで終わりです

 

ステップ4 歯茎より下の歯石を除去

●ステップ3での検査の状態により、歯の根の表面に歯石が付いている場合は歯茎の下の歯石を取る必要がありますこれらの歯石はかなり頑固に根の表面についているため専用の器具で細かく取っていきます

 

ステップ5 歯茎の再々検査とクリーニング

●歯茎より下の歯石を取った後、歯茎の状態がよくなったか、歯周ポケット検査をし確認します

★歯茎の状態が良くなっている場合は、歯の表面に再度歯石が付きにくいように、専用の器具でクリーニングします かなり進行している場合はもう一度残っている歯石を取ります

 

ステップ6 定期検診(メンテナンス)へ

●歯周病の状態によっては、完治するということがありません

定期的に検診・歯石を取っておかないと再発することが多いのでお口の健康の為にも、定期検診を受けることをおすすめします

【健康な歯肉の特徴】

・色はピンク

・キュッとひきしまっている

・歯と歯の間はとがった三角形

・スティップリングというみかんの皮のような小さな穴がたくさんあいていることがある

 

歯周病において一番重要になるのは、歯を支えてる骨が残ってるかが大切になります。CTにおいて歯を支えてる歯槽骨の状態を把握することも大事になってきます。